歯科で行う睡眠時無呼吸症候群治療

睡眠時無呼吸症候群の潜在的患者は5人に1人と言われています。心当たりのある方は、ご自身の「睡眠の質」を知ることからはじめてみませんか?

当ビル2階 徳永呼吸睡眠クリニックと連携を取りながら睡眠時無呼吸症候群の検査・治療を行っております。

 

◯ 睡眠時無呼吸症候群/SAS(サス)とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。
医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、もしくは睡眠1時間あたり5回以上となれば、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

呼吸が止まることで脳が酸素不足を感知し、呼吸を回復するために一時的な覚醒(目覚め)を起こします。そのため、窒息することはありませんが、この呼吸状態を一晩に何度も繰り返していると、睡眠不足によって昼間に強い眠気をもよおすようになります。それだけでなく、酸素不足の状態が長い間続くと、様々な生活習慣病の合併症を引き起こすリスクもあるのです。

 

睡眠時無呼吸症候群のメカニズム

睡眠中に舌や軟口蓋(上顎の奥のやわらかい粘膜)が弛緩し、一時的に気道が閉塞されるために呼吸が停止するのが、睡眠時無呼吸症候群のメカニズムです。

【正常な人の睡眠時における気道状態】
正常な人でも仰向けで寝ると重力によって舌や軟口蓋が沈下し、気道が狭くなります。また、睡眠中は筋の緊張も緩んでいます。

【「いびき」発生時における気道状態】
いびきは、睡眠中に空気の通り道(気道)が狭くなり、そこを通る時に喉(咽頭)が振動することによって生じる音です。つまり、いびきをかくということは、気道が狭くなっている証拠なのです。

【完全に気道が閉鎖した状態】
舌や軟口蓋が沈下し、気道を一時的に閉塞することで呼吸が停止します。これが睡眠時無呼吸の状態です。

 

 ◯ 睡眠時無呼吸症候群の主な症状

以下の症状に思いあたる人は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

・いびきがひどい
・日中に眠気やだるさを感じる
・寝ているとき、 歯ぎしりを指摘されたことがある
・寝ているとき、息苦しくて目が覚めることがある
・寝ているとき、呼吸が止まっていると言われたことがある
・寝ているとき、一回以上トイレに行くことがある
・起きたとき、頭痛がすることがある
・起きたとき、ヨダレがでていることがある

 

 ◯ 睡眠時無呼吸症候群の主な原因

睡眠時無呼吸症候群の主な原因としては、以下の6つが挙げられます。原因として多い順にご説明していきます。

 1、肥満
特に首周りに脂肪がついていると、気道が圧迫されて狭くなります。また、舌は筋肉でできていますが、舌に脂肪がつくと重みでさらに舌が下がり(舌根沈下)、気道が狭くなります。

2、骨格の問題
顎が小さい人は、筋肉や脂肪が入る器も小さいため、相対的に気道のスペースが狭くなりがちです。最近小児の睡眠時無呼吸症候群の患者さんが増えているのもこれが原因の1つです。矯正治療との併用で改善がみられます。

3、鼻閉(びへい)
近年ではアレルギー性鼻炎による鼻開が多く見られます。鼻開によって口呼吸になると粘膜が肥厚し、より気道が狭くなって無呼吸が起こりやすい状態になります。

4、加齢
加齢によって筋力が低下したり、ホルモンバランス(特に女性ホルモン)が崩れたりすることで、無呼吸が起こることもあります。
※睡眠時無呼吸症候群には、呼吸を促す作用のある「プロゲステロン」という女性ホルモンが関与していると言われています。男性は加齢とともに、女性は閉経後にプロゲステロンが激減することでSASの症状が多く見られるようになります。

5、飲酒
お酒を飲むことで筋肉の弛緩が進み、気道が狭くなります。

6、抗不安薬や睡眠薬
抗不安薬や睡眠薬を服用することで、筋肉が弛緩して気道が狭くなります。

 

◯ 睡眠時無呼吸症候群による合併症のリスク

睡眠時無呼吸症候群は、単に昼間に強い眠気を感じるだけの病気ではありません。放置しておくと血中の酸素不足が続き、心肺機能に大きな負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞など生命にかかわるような合併症を引き起こすリスクもあります。睡眠時無呼吸症候群の主な合併症は以下のとおりです。高血圧は健常人の1.37倍、夜間心臓突然死は健常人の2.61倍、脳卒中・脳梗塞は健常人の3.3倍高いと言われています(睡眠時無呼吸症候群を未治療で放置した場合の合併症リスク)

◯ 当院が行う睡眠時無呼吸症候群の治療法

睡眠時無呼吸症候群の患者様に「マウスピース療法」をご提案しています。これは、口腔内に睡眠時無呼吸症候群専用のマウスピースを装着し、下顎を前に出すことで睡眠中の気道の閉塞を抑制する治療法です。

【開閉可能だから苦にならない】

継続的に使用しても苦にならず、SAS治療に専念できる新しいマウスピースです。
保険診療で用いる一体型のマウスピースと異なり上下が完全に分離しているため、装着時の不快感や拘束感は大幅に軽減されます。もちろん自由に開閉できるため、装着時に会話やあくび、水を飲むことなども可能です。

※ マウスピースを支えるのに必要な歯の本数がない場合や、口腔内の状態が整っていない場合など、マウスピース療法を適用できないケースもあります。
歯周病や虫歯がある場合は、それらの治療が優先となります。これは、口腔内が不衛生な状態でマウスピースを装着するのを避けるため、また、歯周病や虫歯の進行によって歯の形状が変わりマウスピースが正しい位置に固定されないためです。

マウスピース療法(一式)  ¥160,000(税別)

【持ち運び可能だから手軽に治療できる】

従来の睡眠時無呼吸症候群の治療法に「CPAP療法(持続陽圧呼吸治療)」があります。
CPAP療法では、睡眠中に大がかりなホースやマスクをつける必要がありました。一方、マウスピース療法なら、手のひらサイズのマウスピースを装着するだけ。
ご自宅はもちろん、出張先や旅行先などにも手軽に持ち運びでき、心身の負担も少なく治療を続けられるのがメリットです。